韓国で働く選択肢の一つ|在外公館派遣員制度

韓国就職

こんにちは☺︎ 今回は韓国で働いてみたいという方の選択肢の一つになればいいなという気持ちで私が前に挑戦した“在外公館派遣員”について書いてみます。この制度は知名度こそ高くありませんが、E2ビザ(会話指導ビザ)やE7ビザ(就労ビザ)に比べると年齢や学歴にとらわれず多くの人に開かれた門なので紹介してみようと思います。

韓国で働くための条件

まず韓国就職界のそりたつ壁、ビザ問題。。韓国で働くには日本語教師として勤務するか(E2ビザ)、会社に就職するか(E7ビザ)の2パターンが多いと聞きます。結婚ビザ、駐在員のビザなどもありますが選ばれし人でないと手に入らないので私のような人間には縁のないお話。ワーホリビザは就労に制限がある。。

よって目指すのは先にあげたE2かE7ビザだと思います。ビザの発給条件に関しては色々なサイトに書いてあるのでここでは割愛しますが(自分が当てはまらなさすぎて書くとつらくなる)韓国就職を意識して生きてこなかった人は大体の人が当てはまらないのではないでしょうか!!

私が最近見た中で一番詳しくビザについて書かれていたサイトを貼るのでご興味ある方はぜひご一読ください!!

https://immikorea.com/ja/e7ビザ外国人の迅速な採用手順と重要な資格要件/

行政書士の事務所のホームページでとても参考になりました。

在外公館派遣員という制度

制度の概要

上記で見たように、流れに身を任せて人生を消化してきた私は韓国就職ができる条件をクリアしていませんでした。韓国留学の時も、まさか自分が韓国で働きたいと思うようになるなんて考えてもいなかったので、就職を見据えた留学もできませんでした。

しかし何か手はないかと調べていると、ある制度を見つけました。

それは、『外務省在外公館派遣員制度』です。

外務省在外公館派遣員とは、労働者派遣法の下で、わが国の在外公館(大使館、総領事館、政府代表部、領事事務所)に原則2年の任期をもって派遣され、主として館務事務補佐などの実務面にあたる傍ら、国際社会での経験を積み、友好親善に寄与してもらおうとするものです。

派遣員制度について 一般社団法人国際交流サービス協会 http://www.ihcsa.or.jp/zaigaikoukan/hakenin-01/

現地の大使館や領事館にて2年間、語学力を活用した業務をすることができます。具体的には、日本のお偉いさんが現地に出張に来た時のピックアップや旅程の手配、在外公館での庶務などが仕事となります。

外務省に委託された一般社団法人国際交流サービス協会という法人が試験を実施しています。

なので海外で就職するというよりは、国際交流サービス協会の職員として採用されて、海外に派遣されるというイメージです。

在外公館派遣員制度について

もっと詳しく知りたいという方は、2023年4月にこちらで発表されるであろう募集要項ページから説明会に申し込みましょう!

待遇

この派遣員の制度、非常に待遇が良いと思います。

  • 任期 2年間
  • 月額報酬 24〜39万円(派遣先による)
  • 賞与 2回/年
  • 渡航費、住居費支給(金額は派遣先による)
  • 社会保障あり(雇用保険・労災保険・厚生年金・健康保険)
  • 就業時間 7時間45分/日
  • 有給休暇 20日/年

韓国の会社に就職すると日本で働いていた頃の年収よりだいぶ下がるのかなという印象がありますが、この派遣員制度は地方の会社で一般職をしていた頃の私の待遇より全然良いです。苦笑

多くの人に開かれた門(応募資格)

また、良いのは待遇だけではなく、幅広い層の人に挑戦するチャンスが与えられているという点です。韓国就職の条件がいかに厳しいか先に触れましたが、一方でこの制度の条件はかなり多くの人が当てはまります。

応募資格
  • 日本国籍を有する者
  • 高校卒業以上の者
  • 普通自動車免許証を保持する者

この3つです!!

学生さんでも社会人でも応募可能で、学歴や経歴年齢も関係ない。

なのに意外と応募する人が少ないのです!(穴場)

ただ、採用人数が各公館1人とかの世界なので倍率で考えると難しいのかもしれません。

韓国の在外公館で働きたい場合

世界中の様々な国にある日本の在外公館が対象となっていて、韓国はソウルにある大使館と、釜山・済州の領事館が対象となります。

派遣員の試験は年2回開催されていますが、毎回韓国の公館の募集があるわけではありません。2年という任期なので、2年ごとに募集がかかっているようです。

例年4月と9月に募集要項が発表されています。直近では2020年前期の第92回試験の募集の際にソウル・釜山(各1名)で、第93回と94回試験では募集なし、2021年後期の第95回試験の募集でソウルと済州(各1名)がありました。

ソウル 釜山 済州
第92回 2020年4月1名1名
第93回 2020年9月
第94回 2021年4月
第95回 2021年9月1名1名
第96回 2022年4月1名1名
第97回 2022年9月
第98回 2023年4月1名
韓国の公館の募集実績

結論から言うと(?)、次回の韓国公館の募集は2023年9月の募集の時ではないかと思います。

待遇の部分でも触れましたが、私が驚いたのは住居費の支給額でした。二次試験の会場で教えていただける情報なのでここでは伏せますが、十分すぎる額だと思いました。正直、月給に関してもかなり良いと思っています。全国の20代事務職正社員の平均月収が20万円前後と言われる中、派遣員になれば学生さんだとしても月24万円以上は貰えるのですから!!韓国の企業の求人を見ていても年収3000万ウォンいかないところが多い中で、賞与も入れれば年400万円は貰えるのでは!?(推測)

⦅2023年4月19日追記 なんと2023年4月の募集でソウルの在大韓民国大使館の募集がありました!!!⦆

どんな試験なの?

この制度で韓国に派遣されるには、試験にパスする必要があります。私も過去に受験したので、記憶を呼び起こして次の項目で語りたいと思います。※守秘義務がある部分もあります‥(^^;;

試験の流れ

前期後期
・募集発表
・説明会
4月9月
・募集締切5月初旬10月初旬
・一次試験5月末10月末
・二次試験6月末12月初旬
・合格通知7月初旬12月末
・不合格発表7月末1月末
・赴任9月10日前後3月10日前後
試験スケジュール

毎回似たようなスケジュールが発表されています。個人的に最も嫌なのは合格発表の方法。合格発表は合格者のみに電話にて通知されるため、1週間ほど設けられている合格通知期間は地獄です。数週間遅れて不合格者と補欠合格者が発表されるのも二重で地獄です。笑

試験内容

試験は一次試験と二次試験があります。コロナ禍真っ只中の時は二次試験がオンラインでしたが、現在はどちらも対面のようです。

エントリー(書類提出)
  • ウェブページにて履歴書・志望動機などを入力して出願

※多分全員通過(書類で落とされることはなく、面接の際の材料となる)

一次試験(筆記)
  • 外国語試験(1時間)
  • 一般常識(35分)
  • 日本語作文(45分)+適性検査(30分)
二次試験(面接)
  • 人物面接(日本語)
  • 外国語面接(ネイティブの方と)

ちなみに一次試験はスーツで来ている人もいましたが、私は私服で行きました^^私服でも全然浮きませんでした!

二次試験はスーツで行きましたが、オフィスカジュアルの方もけっこういました。

一次試験対策

一次試験で最も重要なのは外国語試験、最も時間が足りないのは一般常識、最も対策しやすいのは日本語作文、そして最も意味不明なのが適正検査でした。

外国語試験に関しては、韓国語での受験経験しかないため韓国語メインで書かせていただきます。

外国語試験

問題のレベルは「外国語で書かれた新聞や雑誌を辞書を使わずに理解して、その言語で内容を説明できる程度」とされています。

受験言語ごとに問題の傾向が全く異なるようなので、韓国語の方のみ参考にしていただけたらと思います。実際に出題された内容は念のため伏せておきますが、みん就などで検索するとヒントが見つかるかもしれません。

韓国語の試験は大問5つくらいからなる試験で全て記述式です。韓→日と日→韓の翻訳と、韓国語での作文がありました。

後の二次試験の面接の時にこの記述式試験のフィードバックがあり私のお豆腐メンタルはボコボコに(⌒-⌒; )w

個人的におすすめしたい勉強法はひたすらニュース翻訳をすること、TOPIK(韓国語能力試験)の記述問題をやっておくことです。

ニュースも好きなエンタメ系だけでなく経済、政治、社会、文化、時事問題などで幅広く単語を知っておくことが重要だと思いました。大統領の名前とか所属している党とか…日本の地名が読めなくて爆死したこともあります…時事大事。

私はニュース翻訳をするときは東亜日報のサイトを使用して日→韓にしたり、韓→日にしたりして勉強していました。

韓国語作文は私の時はけっこう身近なテーマで書きやすかったです。TOPIKの쓰기ができれば出来るのではないかな?と思います。

一般常識

60問の問題を30分以内にいかに消化できるかの闘いでした。一般常識なので幅広い分野の問題が出るのですが、数学の問題なんて解いている暇ありません勉強していかないでくださry

本当に時間が足りないので悩んだら直感でマークして次の問題で正解した方がいいです。

私は就活生用のSPIの参考書と一般常識(一問一答形式)の参考書を1冊ずつ購入して何周か勉強しました。

日本語作文

日本語作文は最も対策を取りやすいと思います。

過去に受験した方々の体験談をネットでリサーチして5つくらいの作文を考えて行ったところ、ほぼドンピシャで出題されました。

色々な方の試験体験談(ブログやみん就など)を検索して自分の文章を考えておくことが一番の対策と言えます。恐らく短め作文の2問は毎回同じなので、試験中にそこで時間を使わないようにしたいです。

適性検査

はいorいいえで答えていくものでした。最後に謎の絵を描いたりしました。特に対策は必要ありません。

二次試験対策

各言語ごとに一次試験に合格した人が控え室に座って自分の番を待ちます。なので大体何人くらいがライバルなのかわかります(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)もちろん同じ控え室に別の言語の人もいますが、持参しているテキストやノートなどを見れば一目瞭然。。。

そこで順番に呼ばれて、一人ずつ面接をします。人物面接と外国語面接のどちらが先かはわかりません。入室したらわかるという恐ろしいものでした笑

人物面接

国際交流サービス協会の方々が4〜5人?ほどいて、ほぼ全員から何かしらの質問をされました。

内容は守秘なのでお伝えできませんが、対策としては自分のエントリーシートや、一次試験の作文の内容をしっかり自分の言葉で説明できるようにしておくと良いかと思います。

外国語面接

外国語面接はネイティブだと思われる方と1対1で面接しました。

まず、二次試験に関しては守秘義務があるためインターネットにあまり情報が出回っていません。特にマイナー言語の韓国語に関してはほぼありませんでした。そして私は守秘義務というより記憶から消してほぼ覚えていないので、私がどんな対策をして行ったかをお伝えできればと思います。

まずは英語も含めた外国語面接の体験談の情報収集。自己紹介、ロールプレイ、記事を音読、翻訳、普通の面接などなどがありました。

次に、満遍なく練習するために、カフェトークでネイティブの先生を探しました。1回25分のフリートークの授業を5回購入し、面接の練習をしていただきました。先生が一般的な面接の質問を考えてくださったり、私が答えに困っていると私の言いたいことを導いてくださったりして、とても良い先生に巡り会えたと思いました。

おすすめの書籍

在外公館派遣員試験に関する唯一の書籍がこれです。

『挑戦! 語学をいかして海外勤務 大使館で働くための「派遣員」ガイド』|感想・レビュー - 読書メーター
『挑戦! 語学をいかして海外勤務 大使館で働くための「派遣員」ガイド』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約4件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。

発行は古いですが、必要な情報はさほど変わっていないので目指す方は一読をおすすめします!私はメルカリで購入しました(`・∀・´)

2年間の任期満了後

私は派遣員に合格できなかったので、これも説明会やネットで見聞きした情報となりますが、派遣員の2年間の任期が終わると外務省の一般職の試験を受けるチャンスを貰える人もいるそうです。国家公務員かっこいいですね。。現地で就職する人や、帰国して民間企業に就職する人もいるとのこと。

総じて、派遣員をやったから就職に有利ということはなく、自分次第のようです。

韓国就職に関しても、派遣員を2年やったから就労ビザの要件に当てはまるようになるかと聞かれると全然わかりません。。。

以上、韓国就職と言うよりは韓国という場所で働くことができる制度についてでした☺︎

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