前回の記事の続きです。
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語学堂の感想だけでいい!という方はこの記事だけ見ていただければ大丈夫です。
※2019年に留学した際の感想です。
実際に通った感想
前の記事で検討要素としてあげた3つのこと(授業内容・学校生活・費用)や、事前に調べた際に懸念材料だった“発表が多い授業”を経験した感想もあります。
授業内容
私の通った延世大の語学堂の授業は以下のスケジュールで毎日行われました。
①9:00〜9:50 語彙
②10:00〜10:50 文法
③11:10〜12:00 듣기・읽기(リスニング・読解)
④12:10〜13:00 말하기・쓰기(スピーキング・作文)
1限目と2限目は文法の教科書で進められ、この授業だけノートが必要でした。予習してきたことを前提で行われ、1限目は新出単語の意味と使い方を、2限目は新出文法と教科書の本文を習いました。1限目は単語だけ?と思うかもしれませんが、派生して色々な豆知識や面白いお話を聞けたりして1時間あっという間でした。
3限目はリスニングをやる日と読解をやる日でわかれています。リスニングも読解も1・2限目に習った単語や文法が出てきます。先生がいつも問題を詳しく解説してくださって、生徒もたくさん質問できる雰囲気で楽しかったです。
4限目は主に話す練習でした。教科書の会話の例文を隣の席の子と練習します。会話の例文には習った単語や文法が出てきます。たまに短い作文を書いて先生に添削していただくのですが、授業時間内に終わらないと宿題になります。どの授業も教科書の内容を忠実に進めていく流れでした。
事前に抱いていたイメージ通り授業が進むのは早いですが、生徒たちの理解するスピードはそんなに早くないので、自分一人で置いてけぼりになることはありませんでした。予習が鍵になると思いました。
ここで1つ授業に関する豆知識を披露させてくれ!
ちなみに、先生が文法を板書で説明するときに必ず使われる英語表記があります!英語が苦手な人は戸惑うかもしれません。私も慣れるまでに何度もこんがらがってしまい苦戦しました。
こんな感じで先生が黒板に書いてくださいますが最初はAVstとは…!?で頭がいっぱいで内容ほとんど頭に入りませんでしたw
AV…Action Verb(動詞)
DV…Description Verb(形容詞)
st…語幹
V…Verb(動詞と形容詞の両方を指す)
N…Noun(名刺)
留学の際にはぜひお見知り置きを!
宿題
宿題は毎日同じでした。まずは宿題用のB5サイズのノートを2冊準備します。1限目の先生に提出すると添削して翌日に返してくれるので、提出している間はもう1冊のノートに宿題をすることになり、2冊必要になるというわけです。
内容は、文法教科書の本文を書き写すこと+習った単語や文法で文章を作ることです。これだけなので割とすぐに終わります。
私の事前のイメージでは延世は宿題が多い…でしたが、正直ほかの語学堂に通っていた友人の宿題の方が全然大変そうでした。なので結論、延世の宿題は多くない方だと思います。
また、定期的に単語などのミニテストがある語学堂もありますが私の記憶では延世はそういうのがほとんど無くてテスト勉強は試験前しかしないので、余計に宿題が少なく感じたのかもしれません。
試験
宿題は多くありませんが、試験の準備は大変でした。授業が進むのが早い・習う文法が多いぶん、中間試験と期末試験の出題範囲が広いからです。試験の結果によっては進級できないこともあるので少しプレッシャーもありました。
中間試験や期末試験は2〜3日間に渡って行われます。
例として3級の頃の試験日程は以下のようでした。(固定ではない)
《前の週の金曜日》
말하기①(皆の前で発表)
《1日目》
1時間目 말하기②(先生と1:1のインタビュー形式)
2時間目 읽기①(読解)
《2日目》
1時間目 쓰기(文法、作文)
2時間目 읽기②(長文の音読)
3時間目 듣기
말하기①は中間試験での3分間イヤギが強烈に記憶に残っています。習った文法や単語を入れて原稿を考え、韓国人の友人に見てもらい、暗記して、3分ピッタリくらいで話せるか測り、何度も練習して本番に挑みました。私が大の苦手な発表。。とても緊張しました。別の級の時はチームでロールプレイを準備したこともありました。こればかりは誰と組めるか運しだいの部分もあるので、やる気がない子と組むことになると…という感じでした。
말하기②の攻略法は、やはり事前準備です。こういう質問がきたらこの単語とこの文法を使って答える!!と決めておくのが効果的でした。即興は本当に私には無理w
読解は읽기の教科書の内容がそのまま出るので、しっかり理解することが大事でした。内容盛りだくさんなので全てに目を通すだけでも時間がかかります。さらに、この教科書で習った長文のうちの1つ(くじ引きで引いたもの)を音読して発音や正確な読み方、流暢さも採点されるので읽기の教科書の復習はかなり大切でした。
쓰기は文法の教科書の文法や単語をマスターしておけば問題ありません。教科書巻末の練習問題をしっかりやっておくことが大切かなと思いました。듣기は教科書の内容そのままだったかはよく覚えていませんが、そんなに難しくないな?という印象でした。
試験の準備期間は1日中勉強していました!好きな韓国語の勉強だから苦にはならなかったけど、ペンだこができました!笑
言語交換プログラム
延世大学にも言語交換プログラムがありました。しかし、志願した現役延世大学生が語学堂生より全然少なかったのでほんの一部の語学堂生しか参加できませんでした。
しかも先着順というのを知らず、のんびり申請したらかすりもしませんでした。笑
あと、某SNSで出会い目的で近づいてきた延世大在学生の男の子が言語交換に志願していてこの人と組む留学生は大丈夫かなと心配になりました。
言語交換やトウミ活動に重点を置くのであれば延世はおすすめではないかなと思いました。
文化授業
3級の時の文化授業は사물놀이という韓国の伝統楽器の体験でした。
みんなで列になって語学堂から会場まで歩いて向かった時は小学生に戻った気分でした。伝統楽器はとても難しくて全然できませんでしたが、伝統の衣装を着せてもらえたりクラスの子たちと授業以外で交流できたりしてとっても楽しかったです。
4級では印鑑づくりをしに国立博物館へ行きました。
他の語学堂の文化授業はロッテワールドに行ったり南怡島に行ったり演劇を見たりと楽しそうなのに延世はなぜハンコ作りなの!!とクラスメイトが先生に聞いたところ、「個人でもできることは文化授業にしないで、団体だからこそ申請できる体験を語学堂の生徒たちにさせてあげたい」とのことでした。
学校行事(ペギルジャン)
また、ハングルの日という祝日に合わせて書き物大会(한국어 백일장)が語学堂全体で開催されました。延世大学だけでなく、他の語学堂生も参加できるそうです。お題が詩またはエッセイの2つあり、どちらかを提出すればOKです。即席で作るので非常に難しかったです><賞金もあります。いつもの語学堂の中ではなく、延世大の学祭のコンサートをするような野外会場にて、よいお天気のもと、そしてK–POPが流れるノリノリの会場で、友人たちとポエマーになるのは楽しかったです。
私は秋〜冬学期しか通っていないのでこの行事しか経験できませんでしたが、春か夏には学祭もあって楽しそうでした!!
料理教室・ダンス教室・発音クラス
正規の授業以外にも申請して参加したい人だけ参加できる授業がありました。私は料理教室と発音クラスに参加したことがあるのでどんな感じだったかを書いてみます。ダンス教室は参加していませんが、クラスメイトが参加していました。
延世大学語学堂の施設内には調理室のような教室があります。
2級のクラスでは授業で料理教室があるそうですが、その他のクラスは無いので出たい人だけ学期中に1度開かれる料理教室に申請することができます。語学堂のホームページで申請し、事務室に費用の5000ウォンを納めに行きました。
料理は苦手ですが、季節に合った韓国料理を習えてとても楽しかったです^^私の時はお正月にちなんでトッグクを作りました!
発音クラスは正規授業中に募集がかかり、いつどこの教室に行くか指示があります。無料で週に1度、午後に授業があります。確か言語圏ごとにクラスが別れていて、日本人は多いので日本人だけのクラスでした。私は途中でリタイアしてしまいました。
大学の施設
語学堂の学生も延世大学の施設を利用することができます。
私がよくお借りしていたのが図書館!時々行っていたのが学食!一度だけお世話になったのが病院でした。病院といっても、健康センターというところで、病院よりは規模が小さいけれどお医者さんがいて薬も処方してくれるところでした。
当時インスタに写真多めでまとめていたので、こちらも併せて見ていただけたらと思います☺︎
▼図書館
▼健康センター
▼学食や語学堂周辺のごはん屋さん
↑最後に紹介した아우네 분식は私が一番好きな食堂でしたが、2022年末に韓国旅行した際に通りかかったら無くなっていましたㅠㅠ
奨学金
奨学金が充実している語学堂は、成績によって次学期の学費が免除になったりします。延世大学は全額免除ではありませんが、以下の条件で奨学金制度がありました。
成績は各級の中で上位数%となっています。(何%だったかな…)
クラスは各級多くて14クラスくらいまであり(1組が最も成績優秀)、私の知る限りでは2組の子も奨学金を貰っている子がいました。成績が優秀でも授業を欠席してしまうと対象者から外れてしまうので、何組の子まで貰えているかは流動的だと思われます。
自分で言うのもなんですが(じゃあ言うな)私も欠席なければ貰えていたと思っています(思うのは自由)
授業に全て出席していて、1〜2組に入れると奨学金が貰える可能性が高いと思っています。
費用
留学費用に関しては、以前の記事で詳しく公開したのでもしご興味あればご覧ください!
行く前は、学費にケチらず生活費をケチろうと思っていました。
結論としては、思ったより節約しなかった(苦笑)です。
前評判との比較の結果
▫️文法に強いと言われる学校?→○
事前に調べていたときは延世=文法、大変みたいな印象がありました。2019年頃から教科書が変わって、難易度は元の教科書より下がったと聞きました。ただ、延世は1つの級で習う文法の数が他の語学堂より多いとか、他の語学堂より1級レベルが高い(他の語学堂の4級の内容を延世では3級で習う)とか言われています。正直、他の語学堂に行ったことがないのでそれは私には分かりませんが、私は4級を修了する頃にはTOPIK6級が取れたので延世のレベルは高いと思われます。
▫️授業スピード→速い
前述したように多くの文法や語彙を習うため、予習ありきの授業が進められるように感じました。予習しないで行くと授業スピードの速さを感じると思います。
▫️宿題→多くない
こちらも前述した通りです。他の語学堂の子たちの方が大変そうに見えました。
▫️発表が多い→試験の時だけ(1学期に2回)
学期中に2度という頻度が多いと感じるか少ないと感じるかは自分しだいではあります。準備が大変なことと、私が発表に不向きマンなこともあり、多くはないけどしんどいと感じました。しかし乗り越えた後は一皮剥けた自分に出会うことができてとても気持ちよかったです。
▫️勉強が大変で遊べない→全くそんなことない
延世は勉強が大変で遊ぶ時間がないのかな?と思っていましたが全然そんなことはありませんでした。みんな遊びに出掛けていました。試験前だけ大変ですが、クラスメイトで集まって一緒に勉強したり、みんなで一緒にご飯を食べに行ったりできて全然苦痛ではありませんでした。本当によく遊びました^^
もっと伝えたい「延世はこんなところだった!」
国籍色豊かな友達が想像以上にできた
コロナの規制もだいぶ緩和されてきているので、コロナ前のように様々な国から留学に来ているのかな??私の通っていたときは本当に国際色豊かな日々を過ごしました。
私が最初に仲良くなったクラスメイトがたまたま典型的なE型(超フレンドリー)で、毎日友達を紹介してくれたおかげでイギリス、トルコ、スリランカ、シンガポール、ロシア、中国、チュニジア、アルゼンチン…など級を超えてたくさんのお友達ができました☺︎
よく聞くように、韓国人の友達はほぼできませんでした(汗)
3級の時のクラスの比率いろいろ
国籍
・中国…4人、香港…1人、台湾…1人
・日本…3人
・イギリス…2人
・チュニジア…1人
・ロシア…1人
男:女=3:10
年齢層
・10代…1人
・20代前半…ほとんど
・20代後半…2人
・30代…1人
当時のインスタグラムにクラスの雰囲気やクラスメイトが留学に来た目的などを記録していたのでご覧ください☺︎
4級の時のクラスの比率いろいろ
国籍
・日本…4人
・中国…3人
・インドネシア…1人
・タイ…1人
・ロシア…1人
・ウズベキスタン…1人
・イスラエル…1人
男:女=2:10
年齢層
・10代…2人
・20代前半…2人
・20代後半…ほとんど
・40代…1人
・年齢不詳…1人
3級の時より4級の時の方が頭良いクラスにいたから(?)か、年齢層が高めで落ち着いた雰囲気のクラスでした。3級の時は可愛い妹弟ができてとても楽しかったです♪
こちらもインスタグラムの記録があるのでよろしければご覧ください!
上も下も年齢層が幅広かった
下は高校卒業直後の18歳の子から、上は私のお母さん世代まで、本当にたくさんの年代を見ました。大学生くらいの年齢とアラサーの人も多かったです。日本人だけの話ではなく、全体的にです。
私もアラサーで留学しましたが、居心地悪いとか、年齢が気になったことはほとんどありませんでした。特に4級の時は、年齢がちょうどクラスで真ん中になったので久々に年上の方々に甘えることができて嬉しかったです☺️←
先生が親切だった
1.2限目の先生と3.4限目の先生で、担任が2人制です。しかし中間試験後に担任の先生が二人とも変わりました。先生によって授業の雰囲気もだいぶ変わる印象を持ちました。
1学期に4名の先生から教えてもらえるのですが、どの先生も質問に真摯に答えてくださって、宿題もよくみて下さいました。
結論:延世にしてよかった!!
私は本当に延世大学の語学堂に決めてよかったです。TOPIKの結果が出せたこと、様々な国籍の友人と出会えたこと、年齢が近いからこそ・勉強を頑張りたい人が集まる延世だからこそ自分と境遇が似た友人に出会うことができ、ずっと連絡を取り合える存在になったことが一番の宝物になりました。
長くなってしまいましたが、この記事がいま語学堂を検討している方々にとって、ご自身の一番大切にしていることが実現できそうな学校を選ぶ一つの材料になれたら嬉しいです。
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